聖書 詩編145編14~21節
 ルカによる福音書12章1~12節
説教題 「忘れぬ神」
「五羽の雀が二アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、神がお忘れになるようなことはない。」(6)
 主イエスは神について、「雀一羽さえお忘れにならない」とお語りになります。ある聖書ではここを、「どんな一羽も心に留めておられる」と訳しています。いくら価値が低い、小さいものであったとしても、また特別なものでなくても、神は無視せず、心に留めておられます。存在そのものを愛おしむ、神はそういうお方であります。
 神は雀一羽さえ、愛おしむお方でありますが、あなた方については髪の毛の数さえも神はご存じなのだと、主イエスは言われます(7)。私たちでさえ見過ごしてしまう諸々のことについて、私たちの頭のてっぺんから足のつま先まで、神は心に留めておられます。「あなた方は、たくさんの雀よりもはるかにまさっている」(7)。主イエスは私たちに、神から価値ある存在と見なされていることを、思い出させようとしておられます。そして、神が私たちを愛おしんでおられるとお示しになるために、主イエスは十字架で命をお捧げになって、私たちの助けとなられました。私たちをお忘れにならない神が、確かにおられます。