聖書 詩編26編1~5節
    ペトロの手紙一4章7~11節
説教題 「終わりに向かう」
「万物の終わりが迫っています。だから、思慮深くふるまい、身を慎んで、よく祈りなさい。」(7)
  「終わり」という言葉は、完成とか成就とも訳される言葉です。ある人たちにとっては終わりかもしれませんが、私たちにとっては完成なのです。つまり「万物の終わり」というのは、私たちにとってはキリストに約束された永遠の命をいただく救いの完成です。この完成がどんどん近づいているわけです。この手紙を読んだ人たちは苦しみの中にありました。そのようなときに、「万物の終わりが迫っている」というペトロの手紙が届きました。終わりは近い。手紙を読んだ人たちは励まされたと思います。
  万物の終わりが近いからこそ、「思慮深くふるまい、身を慎んで、よく祈ります」。何事にも冷静に対処しながら、目を覚まして祈ります。それだけではなくて、「何よりもまず、心を込めて愛し合いなさい」(8)と申します。「心を込めて」というのは、熱心に、とも訳せます。休みなく愛します。「心を込めて」には、引き延ばす、という意味もありますので、愛する人を広げていくことも大切です。愛することを惜しんではなりません。私たちが休むことなく、また対象を広げながら愛し合うのが、終わりに向かう私たちのあり方です。