聖書 詩編42編1~12節
    ヨハネによる福音書4章10~15節
説教題 「神を待ち望め」
「なぜうなだれるのか、わたしの魂よ なぜ呻くのか。神を待ち望め。わたしはなお、告白しよう 『御顔こそ、わたしの救い』と。わたしの神よ。」(12)
  詩人は神を求めて「私の魂は渇く」(3)と言います。神が答えてくださらないからです。神に見捨てられたのかもしれない、と不安に駆られます。神と自分との交わりが失われてしまったら生きていられません。渇いたままでいると命に関わります。
  しかし神は「命の神」(9)です。生きて働きたもう神であります。「主は命じて慈しみを私に送る」(9)のです。私たちとの交わりを保とうとなさって、慈しみを与えてくださいます。神は私たちを御心に留めてくださって、私たちに働きかけることがおできになります。
  絶望にあっても神の恵みに触れた瞬間、魂の渇きをいやされます。嘆き悲しむ状況が解決したわけではありませんが、神との交わりは失われないで、保たれていることを、神によって知らされます。ここに希望があります。生ける神の働きを知らされた詩人の胸の内には明るい火が灯っていました。自分を奮い立たせて言う「神を待ち望め」という言葉には、困難に立ち向かおうとする意欲が感じられます。信仰の底力を見せつけられる思いがいたします。