聖書 エレミヤ書30章18~22節
    ヘブライ人への手紙7章20~25節
説教題 「神の民の回復」
「主はこう言われる。見よ、わたしはヤコブの天幕の繁栄を回復し/その住む所を憐れむ。都は廃虚の丘の上に建てられ/城郭はあるべき姿に再建される。」(18)
  先に滅亡した北イスラエルも含めた神の民を再び繁栄させる、と神は将来のことをエレミヤを通してお告げになりました。神殿が置かれていたエルサレムは、攻撃を受けて徹底的に破壊され廃墟と化しました。けれども神がイスラエルを回復させるときには、この廃墟の上に再び都が建てられ、神殿も元通りになる、とエレミヤは語りました。どんなに悲惨な有様になっても絶望してはいけない、神の約束を聞きなさい、と将来の幻を語るわけです。
  神殿が元通りに再建された暁には、「感謝の歌と、楽を奏する者の音が聞こえ」(19)、神と交わるための大切な時間が戻って来ます。神を賛美する集団が、神によって回復させられます。かつてのような神の民の日常が戻って来る。建物などの物質的な回復もあるわけですが、それよりも神との関係の回復が中心です。神の民なのに神への愛を失い、一方的に神との関係を破った末に国が滅びて、神から完全に捨てられたように見えますが、実はそうではなかった。神はご自分の民への愛をなくされません。礼拝する民を回復なさいます。