聖書 詩編73編23~26節
    フィリピの信徒への手紙1章18~26節
説教題 「生きるにも死ぬにも」
「わたしにとって、生きるとはキリストであり、死ぬことは利益なのです。」(21)
  「生きるにも死ぬにも」(20)という言葉から、自分の存在を通してキリストが崇められるように、というパウロの願いが伝わります。自分が生きるか死ぬかにはこだわりません。「生きるとはキリストであり」、自分ではないからです。キリストの死によって救われ、聖霊が送られて救いから逸れることなく信仰を保てるのはキリストによります。だから生きているのは自分ではなくキリストです。「生きるとはキリスト」なのです。
  しかしパウロは「死ぬことは利益」とも言います。信仰によって死者からの復活に希望を抱いてきました。復活が実現したわけではありませんけど、自分が死んだときには復活させられるのを待つだけになります。死者からの復活に近づいたというわけです。だから「死ぬことは利益」だと言うのです。復活の信仰に基づいて、死を積極的に受け止めています。死を克服していると言ってもいいかもしれません。キリストが死者の中から復活なさったからです。キリストと共に生きる私たちも死者の中から復活させられ、天においてもいつまでもキリストと共にいることになります。
週報10月12日