聖書 エレミヤ書4章23~28節
ルカによる福音書12章1~12節
説教題 「救いの時のしるし」
「まことに、主はこう言われる。『大地はすべて荒れ果てる。しかし、わたしは滅ぼし尽くしはしない。』」(27)
 造られたもの一切が無に帰するような厳しい神の審きをエレミヤは告げますが、神はお語りになります。「しかし、わたしは滅ぼし尽くしはしない」。大地の表面だけでなく、お造りになったものすべてを無に帰するほど、徹底した審きをなさろうとしておられるのに、「滅ぼし尽くすことはしない」と神は言われます。
 徹底した審きを、甘くするという意味でしょうか?
 エレミヤが見たのは「混沌」(23)です。一切が無に帰する様です。けれども、「滅ぼし尽くさない」と、神はお語りになりますので、人々の中に滅ぼされない人がいる、ということです。一切が無に帰する中で、滅ぼされずに残る人がいるわけです。この世界が滅ぼされ、無に帰しても、すべての人が滅ぼし尽くされるわけではありません。別のところに残される人がいます。徹底した審きにおいても滅ぼし尽くされずに、審きから逃れ得る人がいるとすれば、その人は神のご厚意に与ったがゆえに残されるのです。神のご厚意に与れるかもしれない。いや、与っていると信じている人にとっては、審きの時が来ても神のご厚意で残されるという望みがあります。