聖書 イザヤ書66章5~6節
    マタイによる福音書8章28~34節
説教題 「神の子イエスの力」
「イエスが、『行け』と言われると、悪霊どもは二人から出て、豚の中に入った。すると、豚の群れはみな崖を下って湖になだれ込み、水の中で死んだ。」(32)
  主イエスは悪魔に対抗して「神の国は近づいた」と言われ、神のご支配を伝えてこられました。一方で悪霊は悪魔の支配下にあって、悪魔の意志を行うために働いてきました。
  悪霊は主イエスを前にして「我々を苦しめるのか」と言って豚の中に入ることを願うと、主イエスは、「行け」とお命じになりました。主イエスは悪霊を「行け」とひと言で従わせることがおできになるお方です。主イエスと悪霊の力関係がはっきりと出ています。ここで主イエスが「行け」とお命じになった言葉は、主イエスが荒れ野で悪魔から誘惑を受けられたときに「退け、サタン」(4:10)とお命じになったのと同じ言葉が使われています。悪魔を退けられた主イエスですから、悪魔の支配下にある悪霊をも退けられます。
  こうして悪霊に取りつかれた二人は癒されました。それだけでなく豚の群れと一緒に湖になだれ込んだ悪霊は滅びてしまいました。悪霊の末路です。神の子の主イエスが来られ宣教が進められるにつれて神のご支配は広がり、悪魔の支配は衰えていくのです。