聖書 詩編102編1~15節
    ヨハネの黙示録21章1~4節
説教題 「恵みの時、定められた時」
「どうか、立ち上がって シオンを憐れんでください。恵みのとき、定められたときが来ました。」(14)
  詩人は、神に罪を犯した、とはっきり言葉にしていませんが、神の怒りによってこのまま「草のように枯れて行く」(12)しかないと嘆いています。心にも体にも痛みを抱えながら人生の夕暮れを歩いていきます。
  しかし、「シオンを憐れんでください」と祈ります。詩人は神が永遠に怒っておられるとは思っていません。長い目で将来を見て、恵みの時が来る、と捉えることができました。神が自分たちに将来を開いて、恵みをもたらしてくださる、と信じています。神は人間とは違うのです。神はお怒りになりますが、憐れみ深いお方です。だから、恵みの時が来る、と信じられます。この信仰によってのみ、深い嘆きは取り去られます。
  神が与えてくださる恵みは、イエス・キリストを通して現されました。キリストはご自分を信じる人たちに、罪の赦しと永遠の命を与えてくださいました。けれども私たちは様々な痛みを負いながら生きてゆきます。死は依然として存在します。死がなくなる時はこれから来るのです。天地が新しくされる時、「もはや死はなく、もはや悲しみも嘆きも労苦もない」(黙21:4)。神によって定められた時が必ず来ます。