聖書 出エジプト記16章1~5節
    フィリピの信徒への手紙3章12~16節
説教題 「ただ一つのこと」
「なすべきことはただ一つ、後ろのものを忘れ、前のものに全身を向けつつ、神がキリスト・イエスによって上へ召して、お与えになる賞を得るために、目標を目指してひたすら走ることです。」(13~14)
  死者の中からの復活に達したい(11)と願うパウロは、「捕らえようと努めている」(12)と語っています。キリストに捕らえられているからです。キリストに捕らえられたことによって天に向かって進んで行けます。そしていつの日か復活の体を与えられるのです。
  そこで「なすべきことはただ一つ」と言うのです。その「一つ」とは、「目標を目指してひたすら走る」ことです。「目標」に着いたときには、神が賞をお与えくださいますから、「後ろのものを忘れ、前のものに全身を向けつつ」走ります。陸上競技の走者のように、少しでも前へと思いながら体を前に傾ける姿勢を取るわけです。脇目も降らずに目標をしっかりと見据え、目標を目がけて突っ走って行くのがキリスト者の姿勢です。
  過去の自分に引き戻そうとする力と、目標を目指して前に進もうとする力とのせめぎ合いがありますから「前のものに全身を向け」ておきます。信仰を無にしないようにしながら今を駆け抜けていきます。復活の体を捕らえようと努めているうちに天の御国に着きます。