聖書 詩編69編20~22節
ヨハネによる福音書19章16~30節
説教題 「キリストの死」
「イエスは、このぶどう酒を受けると、『成し遂げられた』と言い、頭を垂れて息を引き取られた。」(30)
主イエスは「自ら十字架を背負い」(17)とあります。主イエスは当時の処刑のやり方に則って十字架を背負わされたのではなくて、ご自分に課せられたものと受け止めておられました。主イエスは以前に「私は自分の意志ではなく、私をお遣わしになった方の御心を行おうとするからだ」(5:30)とお語りになりました。父の御心を行い、私たちに永遠の命を得させるためでした。
十字架につけられた主イエスは最後に酸いぶどう酒を口に含まれ、「成し遂げられた」と言って息を引き取られました。キリストの死という父の御心は成し遂げられました。主イエスが死なれるまで誰にも妨げられずに、聖書に書かれていることが一つ一つ実現されました。父の御心を阻止できるものは何もありません。
主イエスが最期に言われた「成し遂げられた」という言葉には、終了する、という意味もあります。ヨハネは、十字架においてキリストが御業を終えられた、と伝えていると思うのです。十字架の死によって天に上げられたキリストは、死という苦難を克服なさって死に打ち勝たれました。キリストを信じる私たちに永遠の命をもたらして御業を終えられたのです。